人は、なぜ他人を許せないのか?/中野信子
人間の脳は、他人に正義の制裁を加えることに悦びを感じるようにできています。
この快楽に溺れてしまうと、決して人を許せない「正義中毒」状態になってしまうのです。
しかし、許せないのは苦しいことです。
本書で「人を許せなくなる脳の仕組み」を知っていただくことが、心穏やかに生きるためのヒントになれば幸いです
人は、なぜ他人を許せないのか?帯より
正義中毒とは
この本は、書店で何気に手に取りました。私もSNS(TwitterやInstagram)をしているので、この人の発言は正義中毒っぽいのかなと思うこともあれば、自分がそうなっていないかって結構気にします。
中野信子さんは例題として、下記のようなことを書いています。
「我こそは正義」と確信した途端、人は「正義中毒」になる
あなたは、どんなときに人を「許せない」と思いますか?
「恋人や配偶者が浮気をしていた」「上司からパワハラやセクハラを受けた」「信頼していた友達から裏切られた」
こんな経験をしたことがある、あるいは身近な人が経験しているという方は、多いのではないでしょうか。ここで生じる「許せない」感情は、自分や自分の近しい人が何らかの被害を受けたことに対する憤りであり、強い怒りが湧くのは当然です。
ではこういう場合はどうでしょうか?
「清純な優等生キャラで売れていた女性タレントが不倫していた」「飲食店のアルバイト店員が悪ふざけの動画をSNSに投稿した」「大手企業がCMで差別的な発言をした」
略
しかし、自分や自分の身近な人が直接不利益を受けたわけでなく、当事者と関係があるわけでもないのに、強い怒りや憎しみの感情が湧き、知りもしない相手に非常に攻撃的な言葉を浴びせ、完膚なきまでに叩きのめさずにはいられなくなってしまうというのは、「許せない」が暴走してしまっている状態です。
我々は誰しも、このような状態にいとも簡単に陥ってしまう性質を持っています。
なぜ、他人を許せないのか?2-4ページ
たしかに、後半の方は自分に直接関係がないのに、なんとなく嫌な気持ちにはなるかもしれません。ただそこからSNSを使ったりして行動に移すかどうかってところが正義中毒の分かれ目になるのでしょうね。
この正義中毒になりやすいってのは、日本人の性質によりところが大きいらしく、仕方ないっと言えば仕方ないようです。
ただ、人を許せないってことはしんどいことです、、
先日のアドセンス狩りしかり、妻とちょっとした喧嘩でもそうですけど、絶対相手が100悪いってことはないですからね。きっとどこかで、気づかないうちに相手に嫌な思いをさせてしまってることってあります。
その一呼吸置いて自分に非がなかったか考えることって大事な気はします。
で、それでもわからない時は、考えすぎない。早く忘れる。っていうふうに私はしています。
それがいいか悪いかはわかりませんが、中野さんも同じようなことを書かれていたので、間違いではないようです。
もっと詳しくは「正義中毒から自分を解放する」という章に書かれていますので、もし、あれ?、、自分って正義中毒の気があるのかもしれない、と心当たりがある方は読まれてみてもいいかもしれません。
その他
- 許せないをコントロールし、穏やかに生きるには
- 脳は経験で進化できる
- 老けない脳と老ける脳の違い
- 自分にも他人にも「一貫性」を求めない
など面白い内容でした。